◆高校入試の古文の読解技術
高校入試では、古文単語や古典文法の知識は古文読解にほとんど必要ありません。現代文の読解力があれば読めるようにできています。
さらに次の技術を身につければ、古文を得意分野にすることができるでしょう。
◆古文読解の技術
1.現代語訳があるばあいは先に読む。
2.古文の否定を表すことばに注意する。
3.「主語・目的語・述語」に注目し大意をつかむ。
4.接続助詞「て・で・つつ」の前後はだいたい同じ主語である。
5.他の設問や選択肢の内容からヒントを探す。
一つずつ説明してゆきます。
1.現代語訳があるばあいは先に読む
現在のほとんどの公立高校の入試では、古文に現代語訳がついています。
それを先に読んで、だいたいの内容を予想しておきましょう。きっと読み取りやすくなります。
2.古文の否定を表すことばに注意する
文法や単語の知識はほとんど必要ないのですが、否定表現だけはしっかり覚えておきましょう。
そして、細かい内容がわからなくても、肯定文なのか否定文なのかをおさえ、内容を推測するのです。
3.「主語(誰が)・目的語(誰に)・述語(どうする)」に注目して大意をつかむ
日本語は述語にだいじな情報が含まれます。さきに述語をおさえ、主語を推測しながら読んでください。
横にある小さい字の現代語訳や文章終わりの注と述語を読み比べれば、だいたいの内容は推測できます。
4.接続助詞「て・で・つつ」の前後はだいたい同じ主語である
大学入試でも使われる主語把握の技術です。例文で説明しましょう。
【古文の例】
旦那ありて、常に来たりて 和尚に参学などしはべりて、一休の発明なるを心地よく思ひて、折々は戯れをいひて 問答などしけり。
【訳】
旦那がいて、つねに来て、和尚のところで参禅などしていたが、一休が賢いのを心地よく思って、時々はふざけたことを言って、問答などをした。
この文では、
主語は「旦那(だんな)」 です。
そして、
「旦那ありて」
「つねに来たりて」
「参禅などしはべりて」
「心地よく思ひて」
「戯れをいひて」
「問答などしけり」
という、接続助詞「て」でつながれている文の主語はすべて「旦那」なのです。
このように、単純接続の「て」などでつながれる文の主語は、同じであることが多いのです。
どうです?
かなり大意がとらえやすくなるはずです。
古文を読むときには、接続助詞「て・で・つつ」でつながれている文の主語は、まずは同じだと考えて読解を試みてください。
5.設問や選択肢の内容からヒントを探す。
「最小限の知識」の項で述べたとおり、古文はいろいろなところにヒントがあります。
それを利用して内容を推測しましょう。
勉強するときに、以上のことを意識すると効果的に読解が進むでしょう。