Q.作文が書けないのですが。
A.
作文にかぎらず、文章を書くというのは技術上の問題が大きいものです。
よく「思ったことを自由に書きなさい」などという人がいますが、それで書けるのはごく一部の人です。作文にも書き方の技術があります。まず、それにのっとって書く訓練をしないとなかなか書けるようにはなりません。
では、その技術とはなにか。
それは、「型を決める」ということです。
形式でも内容でも、前もって書く型を自分で決めておくのです。
じつは、自由自在に文章を書いているように見える人でも、自分のなかに基準=型があり、それにもとづいて文章を書いていることがよくあります。自由に書く時には、その型をもとにさまざまなかたちに崩しているのです。
ですから、苦手な人ならばなおさら初めは型を決めてそれに沿って書く練習をするのがよいのです。
たとえば、文章の構成をいつも同じにするという方法があります。
いつも全体の文章構成を三段落にすると決めておき、
第一段落:これから書くことについて短く宣言をする。
第二段落:宣言したことに関係する体験を具体的に書く。
第三段落:体験をもとに自分の意見を述べる。
というように、話を述べる順番と内容とをあらかじめ決めておくのです。そうすれば、ずいぶん書きやすくなるでしょう。慣れてきたら、この構成を崩していけばよいのです。
「型にはまる」というと、なにかよくないイメージがあるかもしれませんが、とくに初心者は基本の型を身につけることがひじょうに大切なのです。